セキュリティの脅威

必要な準備

RICOH360 THETA A1に保存された画像や動画ファイルは重要な情報資産であり、情報漏洩や不正使用のリスクを減らすために適切なセキュリティ対策が必要です。 安全に使用するためには、使用環境と機器を使用者の情報セキュリティポリシーに従って適切に設定する必要があります。

制御手段

THETAは無線LAN、有線LAN、LTEドングル、USB、Bluetooth®、および本体のボタンで操作できます。それぞれのセキュリティリスクは以下の通りです。

仕様
制御手段 初期設定 リスク 開始手順
無線LAN AP(アクセスポイント)モード OFF SSIDと暗号化キーを使用してリモート接続・制御が可能なため、適切な管理が必要です。 機能を有効にしてからデバイスから接続します。
無線LAN CL(クライアント)モード OFF ダイジェスト認証を設定していても、ユーザー名とパスワードが漏洩するとWebAPIで制御可能なため、適切な管理が必要です。 APIを利用して接続に必要な設定を行ってから、機能を有効にします。
有線LAN OFF 無線LAN(CLモード)と同様に、適切な管理が必要です。 USBポートに有線LANアダプターを接続する必要があります。
LTEドングル OFF WebAPIを使用したリモート制御はできません。 LTEドングルをUSBポートに接続する必要があります。
USB(MTP) ON USBケーブルでPCと接続することで、THETAに保存された画像や動画ファイルの取得が可能です。MTP経由でカメラの制御も可能です。使用環境に注意してください。 データ通信が可能なUSBケーブルでの接続が必要です。
USB(MSC) OFF USBケーブルでPCと接続することで、THETAに保存された画像や動画ファイルの取得が可能です。 また、外部デバイスからTHETAへのファイル転送も可能です。RICOH360 THETA A1が出力したファイル以外を使用しないようにしてください。
使用環境に注意してください。
機能の有効化とデータ通信が可能なUSBケーブルでの接続が必要です。
Bluetooth®
(Low Energy)
ON NumericComparisonによる認証は本体操作で許可することができ、BLEAPIで情報取得が可能になるので、使用環境に注意してください。 デバイスからの接続が必要です。
Bluetooth®
(Classic)
OFF 特定のプロファイルを持つデバイスとの接続が可能です。 BLEを使用してデバイス接続の登録が必要です。
操作ボタン No Lock 電源ボタンで電源のON/OFF、無線ボタンで無線LANのON/OFFが可能です。 操作ボタンの組み合わせで設定の初期化も可能です。使用環境に注意してください。 電源ON

各操作方法に関連する設定範囲と手順は以下の通りです。

無線LAN

無線LANはOFF、APモード、CLモードに設定できます。スリープモードでも無線LANはOFFになりません。

使用方法 無線LANの設定

WLANボタンを押すことでOFF、CLモード、APモードの順に切り替えることができます。また、APIを使用してモードを選択することもできます。

設定値
設定値初期値設定方法説明
ネットワークの種類 OFF WebAPI Options._networkType 使用するネットワークの種類
MTPAPI N/A
BLEAPI Set network type
Set Options
無線LANのアンテナ設定 MIMO WebAPI Options._wlanAntettaConfig
SISO/MIMOの切替
MTPAPI N/A
BLEAPI Set Options

AP(アクセスポイント)モード

仕様
Network Interface Wireless LAN
1. WPA2-Personal
2. Encryption method: AES
3. Wireless LAN mode: Access Point
初期値の仕様は以下のとおりです。
SSID: ""THETA""+""シリアル番号""+"".OSC""
暗号化キー(パスフレーズ): ランダムな8桁の文字列
暗号化キーの初期値はWLANボタンを押しながらシャッターボタンを2秒押すことで確認可能です。
Service Protocol HTTP
Service Protocol Authentication Method None
Service Protocol Encryption Method None
Provided Services Web APIの仕様は以下で公開されています。
https://docs-theta-api.ricoh360.com/web-api/index.html
使用方法 APモードで接続
  1. THETAの電源を入れ、WLANボタンを押してAPモードに切り替えます。
  2. 使用するデバイスからTHETAのSSID(デフォルトではTHETAのシリアル番号(英字2字+数字8桁)+ .OSC)を検索します。
  3. 使用するデバイスからTHETAのSSIDに接続します。この時、暗号化キーを入力する必要があります。
設定値
設定値初期値設定方法説明
SSID シリアル番号(英字2字+数字8桁)+ .OSC WebAPI Options._ssid
WLAN APモードで設定/取得可能
THETAの無線LANを識別するための名前
MTPAPI N/A
BLEAPI Set Options
暗号化キー(パスフレーズ) デバイスごとに設定 WebAPI Options.wifiPassword
暗号化キーを設定できます
Options._defaultWifiPassword
工場出荷時の暗号化キーを取得できます
APモードで接続する際に使用する暗号化キー
RICOH360スマートフォンアプリで変更できます

パスワードは数字8桁のように設定することもできますが、ブルートフォース攻撃などに弱くなります。文字数を長くしたり、使用する文字を複数から選択するなどの対応をお願いします。
MTPAPI N/A
BLEAPI Set Options
暗号化キーを設定できます
Get Options
工場出荷時の暗号化キーを取得できます
Read WLAN password state
暗号化キーの更新状態を取得できます
周波数設定 2.4GHz WebAPI Options._wlanFrequency
WLAN APモードで設定/取得可能
WLAN CLモードで取得可能
APモードで使用される周波数設定
MTPAPI N/A
BLEAPI Set Options

CL(クライアント)モード:WebAPIによる制御

仕様
Network Interface Wireless LAN
1. Authentication Method: WEP, WPA/WPA2 PSK、WPA3-SAE
2. Encryption method: AES
3. Wireless LAN mode: Client(Station)
接続するアクセスポイントのSSID、パスワードを設定する必要があります。
Wired LAN (USB-LAN adapter)
1. Authentication Method: WEP, WPA/WPA2 PSK、WPA3-SAE
2. Encryption method: AES
Service Protocol HTTP
Detect the camera IP address using mDNS
Service Protocol Authentication Method HTTP Digest Access Authentication
Service Protocol Encryption Method None
Provided Services Web APIの仕様は以下で公開されています。
https://docs-theta-api.ricoh360.com/web-api/index.html
使用方法 無線LAN CLモードで接続

APIを介して制御する場合、ダイジェスト認証の設定が必要です。また、使用するネットワークに応じた設定も必要です。
無線LAN CLモードを使用する場合、使用する周波数帯を選択します。接続するルーターの情報も登録する必要があります。 これらの設定は無線LANまたはBLEを使用して設定する必要があります。

・無線LAN (APモード) で設定する場合

  1. APモードで接続します。
  2. ダイジェスト認証のユーザー名、パスワードを設定します。
  3. 使用する周波数帯を設定します。
  4. 接続するルーターを登録します。

・Bluetooth®で設定する場合

  1. THETAの電源を入れます。
  2. 使用するデバイスからBluetooth®(AAで始まる10桁の英数字)を検索します。
  3. デバイスから接続すると、デバイスとTHETAの両方に6桁のPINコードが表示されるので、両方が同じであることを確認してOKを選択します。
    • デバイスによっては、PINコードが表示される前に接続許可を求められることがあります。
  4. ダイジェスト認証のユーザー名、パスワードを設定します。
  5. 使用する周波数帯を設定します。
  6. 接続するルーターを登録します。
    A)ルーター情報を直接登録する(Camera Control Command v2を使用)
    B)THETAでルーターを検出する(WLAN Control Command v2を使用)
設定値
設定値初期値設定方法説明
CLモードの周波数設定 2.4GHz:enable
5.2GHz:disable
5.8GHz:enable
WebAPI Options._wlanFrequencyCLmode
WLAN APモードで設定/取得可能
WLAN CLモードで取得可能
CLモードで使用する周波数設定
MTPAPI N/A
BLEAPI Set Options
認証方法 digest WebAPI N/A CLモードで使用する認証方法
MTPAPI N/A
BLEAPI N/A
ダイジェスト認証ユーザー名 THETA+シリアル番号(英字2字+数字8桁) WebAPI Options._username
WLAN APモードで設定可能
ダイジェスト認証で使用するユーザー名
MTPAPI N/A
BLEAPI Set Options
ダイジェスト認証パスワード 未設定 WebAPI Options._password
WLAN APモードで設定可能
ダイジェスト認証で使用するパスワード
未設定で使用することはできません。

パスワードは数字8桁のように設定することもできますが、ブルートフォース攻撃などに弱くなります。文字数を長くしたり、使用する文字を複数から選択するなどの対応をお願いします。
MTPAPI N/A
BLEAPI Set Options
アクセスポイント情報 未設定 WebAPI camera.setAccessPoint
WLAN APモードで設定可能
無線LAN CLモードで接続するアクセスポイント(ルーター)の情報
MTPAPI N/A
BLEAPI Set Access Point
プロキシ情報 未設定 WebAPI camera.setAccessPoint
無線LAN CLモードで接続するプロキシ情報
MTPAPI N/A
BLEAPI N/A

有線LAN

使用方法 有線LANで接続

APIを介して制御する場合、ダイジェスト認証の設定が必要です。また、使用するネットワークに応じた設定も必要です。
これらの設定は、無線LANまたはBLEを使用して行う必要があります。
設定が完了したら、有線LANアダプターを接続し、有線LANケーブルでルーターに接続します。

・無線LAN (APモード) で設定する場合

  1. APモードで接続します。
  2. ダイジェスト認証のユーザー名、パスワードを設定します。
  3. 必要に応じて有線 LAN 接続構成を設定します。

・Bluetooth®で設定する場合

  1. THETAの電源を入れます。
  2. 使用するデバイスからBluetooth®(AAで始まる10桁の英数字)を検索します。
  3. デバイスから接続すると、デバイスとTHETAの両方に6桁のPINコードが表示されるので、両方が同じであることを確認してOKを選択します。
    • デバイスによっては、PINコードが表示される前に接続許可を求められることがあります。
  4. ダイジェスト認証のユーザー名、パスワードを設定します。
  5. 必要に応じて有線 LAN 接続構成を設定します。
設定値
設定値初期値設定方法説明
有線LAN接続設定 ipAddressAllocation="dynamic" WebAPI Options._ethernetConfig
WLAN AP/CLモードで設定/取得可能
有線LAN接続時の設定
MTPAPI N/A
BLEAPI N/A
認証方法 digest WebAPI N/A CLモードで使用する認証方法
MTPAPI N/A
BLEAPI N/A
ダイジェスト認証ユーザー名 THETA+シリアル番号(英字2字+数字8桁) WebAPI Options._username
WLAN APモードで設定可能
ダイジェスト認証で使用するユーザー名
MTPAPI N/A
BLEAPI Set Options
ダイジェスト認証パスワード 未設定 WebAPI Options._password
WLAN APモードで設定可能
ダイジェスト認証で使用するパスワード
未設定で使用することはできません。

パスワードは数字8桁のように設定することもできますが、ブルートフォース攻撃などに弱くなります。文字数を長くしたり、使用する文字を複数から選択するなどの対応をお願いします。
MTPAPI N/A
BLEAPI Set Options

CL(クライアント)モード:RICOH360 Cloudによる制御

仕様
Network Interface Wireless LAN
1. Authentication Method: WEP, WPA/WPA2 PSK、WPA3-SAE
2. Encryption method: AES
3. Wireless LAN mode: Client(Station)
接続するアクセスポイントのSSID、パスワードを設定する必要があります。
Wired LAN (USB-LAN adapter)
4G LTE (USB-LTE adapter)
Tethering connection
1. Authentication Method: WEP, WPA/WPA2 PSK、WPA3-SAE
2. Encryption method: AES
Service Protocol MQTT
Service Protocol Authentication Method MQTT connection with mutual TLS(mTLS) authentication
Service Protocol Encryption Method TLS
使用方法

https://help.ricoh360.com/hc/en-us/articles/13383929357971-Registering-for-RICOH360-Cloud

CL(クライアント)モード:ライブストリーミング

仕様
Network Interface Wireless LAN
1. Authentication Method: WPA2-Personal、WPA3-Personal Only、WPA3-Transition
2. Encryption method: AES
3. Wireless LAN mode: Client(Station)
接続するアクセスポイントのSSID、パスワードを設定する必要があります。
Wired LAN (USB-LAN adapter)
4G LTE (USB-LTE adapter)
Tethering connection
1. Authentication Method: WEP, WPA/WPA2 PSK、WPA3-SAE
2. Encryption method: AES
Service Protocol WebRTC
WebSocket-TLS
Service Protocol Authentication Method JWT
Service Protocol Encryption Method DTLS, SRTP, TLS
使用方法

準備中

Mobile network (LTE dongle)

使用方法 モバイルネットワークで接続

LTEドングルを接続して、必要に応じて無線LANまたはBLEを使用してモバイルネットワーク設定を行います。

・Bluetooth®で設定する場合

  1. THETAの電源を入れます。
  2. 使用するデバイスからBluetooth®(AAで始まる10桁の英数字)を検索します。
  3. デバイスから接続すると、デバイスとTHETAの両方に6桁のPINコードが表示されるので、両方が同じであることを確認してOKを選択します。
    • デバイスによっては、PINコードが表示される前に接続許可を求められることがあります。
  4. 必要に応じてモバイルネットワーク設定を行います。
設定値
設定値初期値設定方法説明
モバイルネットワーク設定 plan-D
roaming=OFF
WebAPI Options._mobileNetworkSetting
BLEで設定/取得可能
使用するプランとローミングの設定
MTPAPI N/A
BLEAPI Set Options

Bluetooth®

Bluetooth® Low Energy(BLE)とBluetooth® Classicは別々に制御されます。デフォルトではBLEが常に有効になっています。THETAを制御するには、BLE経由で接続する必要があります。

仕様
InterfaceBluetooth® Low Energy
1. Profile: GATT
2. Security: Some models have multiple connections.
BLE(standard)
- BLE Security mode 1
- BLE Security Connections level4
- Numeric Comparison Pairing (Bluetooth® standard 4.2 or higher)
* Supports characteristics that correspond to BLE Security mode 1/BLE Security Connections level 4.
3. BLE mode: Peripheral
Service ProtocolGATT
Service Protocol Authentication Method BLE(standard)
    FIPS, Numeric Comparison Pairing
Service Protocol Encryption Method BLE(standard)
    AES-CCM
Provided Services Bluetooth® APIの仕様は以下で公開されています。
https://docs-theta-api.ricoh360.com/bluetooth-api/
Camera control command v2 service
WLAN Control Command service
WLAN Control Command v2 service
Bluetooth Control Command service
RICOH360 Cloudへの登録はRICOHのアプリケーションでのみ実行可能です。
使用方法 Bluetooth®で接続

初期状態ではBLEは常に有効です。 無効にしている場合はAPIを利用するか設定リセット操作で有効にする必要があります。 以下の手順で接続するとペリフェラルデバイスとして制御することができます。

  1. THETAの電源を入れます。
  2. 使用するデバイスからBluetooth®でTHETA(AAで始まる10桁の英数字)を検索します。
  3. デバイスから接続すると、デバイスとTHETAの両方に6桁のPINコードが表示されるので、両方が同じであることを確認してOKを選択します。
    • デバイスによっては、PINコードが表示される前に接続許可を求められることがあります。

ヘッドセットやリモート コントローラーなどの外部デバイスを接続する場合は、次のように Bluetooth® デバイスを登録する必要があります。

  1. THETAをペリフェラルとして接続します。
  2. 外部デバイスをペアリングモードにします。
  3. Bluetooth® APIを使用して、THETAで外部デバイスをスキャンします。
  4. スキャン結果を使用して、外部デバイスを登録します。

WLANボタンを長押しするか、APIでBluetooth®を有効にすると、外部デバイスを検索し、登録されている機器に接続します。


設定値
設定値初期値設定方法説明
BLEの有効化 true WebAPI Options._bluetoothLowEnergyEnable
WLAN AP/CLモードで設定/取得可能
BLEの有効/無効切替
MTPAPI N/A
BLEAPI Set Options
Bluetooth®の状態 OFF WebAPI Options.bluetoothPower
WLAN AP/CLモードで設定/取得可能
Bluetooth® の有効/無効切替
この値はBluetooth® Classicにのみ影響します。登録済みのデバイスが見つからない場合、30秒後にオフになります。
MTPAPI N/A
BLEAPI Set Options
Bluetooth®周辺機器の検索 OFF WebAPI N/A
MTPAPI N/A
BLEAPI Scan Bluetooth peripheral device
スキャンされたBluetooth®周辺機器の通知 OFF WebAPI N/A
MTPAPI N/A
BLEAPI Notification scanned Bluetooth peripheral device
Bluetooth®周辺機器の接続と登録 OFF WebAPI N/A
MTPAPI N/A
BLEAPI Connect Bluetooth peripheral device

USB

仕様
InterfaceCompliant with the following standards:
    USB Spec.3.2 super speed standard
    USB2.0 High speed standard
Service Protocol MSC (Mass Storage Class)
MTP (Media Transfer Protocol)
Service Protocol Authentication MethodNone
Service Protocol Encryption MethodNone
Provided Services MTP APIの仕様は以下で公開されています。
https://docs-theta-api.ricoh360.com/usb-api/
使用方法 USBで接続

USB 経由で制御する場合は、MTP デバイスとして使用するか、MSC デバイスとして使用するかを決定する必要があります。

・WebAPIで設定する場合

  1. 無線LANもしくは有線LANで接続します。
  2. WebAPIを実行します。

・Bluetooth®で設定する場合

  1. BLEで接続します。
  2. Bluetooth®APIを実行します。

・ボタン操作で設定する場合

  1. THETAの電源を入れます。
  2. ModeボタンとFnボタンを2秒間押します。
  3. 次回USB接続時にMSCで接続するかどうかを選択します。
設定値
設定値初期値設定方法説明
MTP/MSCの選択 MTP WebAPI Options._usbConnection
WLAN AP/CLモードで設定/取得可能
PCと接続時、MTPとMSCのどちらを使用するかを選択
MTPAPI N/A
BLEAPI Set Options

操作デバイス

本機の電源ボタン、WLANボタン、シャッターボタン、モードボタン、Fnボタンの操作を禁止できます。
モードボタンとシャッターボタンを6秒間押し続けると、操作ロックが解除されます。

設定値
設定値初期値設定方法説明
ボタンロックの種類 unlock WebAPI Options._cameraLock
WLAN AP/CLモードで設定/取得可能
ボタンロックの種類を選択
MTPAPI N/A
BLEAPI Set Options
ボタンロックのカスタム設定 unlock WebAPI Options._cameraLockConfig
WLAN AP/CLモードで設定/取得可能
ボタンごとにロックするかを選択
MTPAPI N/A
BLEAPI Set Options

デバイス設定

画像と動画には位置情報と日時情報が記録されます。 これらの設定は、情報の完全性に影響します。

位置情報

画像や動画に位置情報を付加するかどうかを指定できます。内蔵GPSで測位できない場合は、APIを利用して位置情報を設定できます。
また、電子コンパスを使用して、方位情報を真北と磁北のどちらで記録するかを選択することもできます。
アイコンが白塗りの場合、内蔵GPSの測位ができています。

設定値
設定値初期値設定方法説明
位置情報 未設定 WebAPI Options.gpsInfo
WLAN AP/CLモードで設定/取得可能
位置情報
MTPAPI 0xD801 GpsInfo
BLEAPI Set Options
位置情報の付与 on WebAPI Options._gpsTagRecording
WLAN AP/CLモードで設定/取得可能
位置情報を付与するか選択
MTPAPI 0xD832 GPStagRecording
BLEAPI Set Options

方位情報

電子コンパスで取得した方位情報をGPS情報で補正するかどうかを選択できます。

設定値
設定値初期値設定方法説明
方位情報の真北・磁北選択 auto WebAPI Options._compassDirectionRef
WLAN AP/CLモードで設定/取得可能
GPS情報を使用して方位を真北として記録するか選択
MTPAPI N/A
BLEAPI Set Options

日時情報

本製品の日付と時刻情報を設定できます。
GPS情報を取得した場合は、GPS情報を使用して時刻が補正されます。
NTPから日付と時刻情報を取得した場合は、時刻も補正されますが、タイムゾーンは補正されません。

設定値
設定値初期値設定方法説明
日時・タイムゾーン情報 2023/01/01 00:00:00
WebAPI Options.dateTimeZone
WLAN AP/CLモードで設定/取得可能
日時・タイムゾーン情報
MTPAPI 0x5011 DateTime
BLEAPI Set Options

電源状態の設定

API を使用してカメラの電源を制御できます。ただし、電源オフの状態からカメラを起動することはできません。
カメラのボタンを使用して、電源オン、スリープ、電源オフを制御できます。

設定値
設定値初期値設定方法説明
電源状態 OFF WebAPI Options._cameraPower
WLAN AP/CLモードで設定/取得可能
電源状態を設定
MTPAPI 0x1013 PowerDown
0xD80E SleepMode
BLEAPI Set Options
節電モード設定 ON WebAPI Options._powerSaving
WLAN AP/CLモードで設定/取得可能
節電モード有効/無効設定
MTPAPI N/A
BLEAPI Set Options
スリープモード移行時間 180(秒)
WebAPI Options.sleepDelay
WLAN AP/CLモードで設定/取得可能
スリープモードに移行するまでの無操作期間(秒単位)
MTPAPI 0xD803 SleepDelay
BLEAPI Set Options
電源OFF移行時間 600(秒)
WebAPI Options.offDelay
WLAN AP/CLモードで設定/取得可能
スリープ モードから電源オフに移行するまでの無操作期間( 60秒以上の秒単位)
MTPAPI 0xD81B AutoPowerOffDelaySec
BLEAPI Set Options
USB接続時電源OFF移行時間 600(秒)
WebAPI Options._offDelayUSB
WLAN AP/CLモードで設定/取得可能
USB接続時にスリープ モードから電源オフに移行するまでの無操作期間( 60秒以上の秒単位)
MTPAPI N/A
BLEAPI Set Options
再起動 WebAPI camera._reboot
WLAN AP/CLモードで設定/取得可能
再起動
MTPAPI N/A
BLEAPI N/A

デバイスログ

このデバイスは、画像や動画ファイルなどの重要な情報資産について、少なくとも1000件のイベントログを記録します。
このログにはWebAPI経由でアクセスできます。

How to get/取得方法
API NamegetEventLog
URL /log/eventLog
Content-TypeText/plain;
charsetCharset=UTF-8
methodGET

脆弱性への対応

ソフトウェアの脆弱性に対処するため、ファームウェアのアップデートを推奨いたします。 ファームウェアのアップデート情報は、当社のウェブサイト、スマートフォンアプリなどに掲載いたします。
https://support.ricoh360.com/system-information

ファームウェアのアップデート方法

ファームウェアのアップデート方法は使用説明書を参照してください。

RICOH360スマートフォンアプリを使ったアップデート

https://support.ricoh360.com/manual/a1-ricoh360-app-firm-update-01

パソコン用基本アプリを使ったアップデート

https://support.ricoh360.com/manual/a1-update-01?apps=ricoh-theta

RICOH360クラウドからのアップデート

https://support.ricoh360.com/manual/ricoh360-web-08

THETAによる自動アップデート

無線LAN CLモード、有線LAN、またはLTEドングルで接続している場合、THETAはファームウェアの更新を検知し、アップデートを実行します。
ファームウェアのアップデートは、カメラがスリープ状態または電源OFFになったときに検知され、アップデートされます。

設定値
設定値初期値設定方法説明
自動ファームウェア更新設定 true WebAPI Options._autoFirmwareUpdate
WLAN AP/CLモードで設定/取得可能
スリープ/電源オフに移行するときに自動でファームウェア更新するか選択
MTPAPI N/A
BLEAPI Set Options

登録情報の削除と初期化

THETA本体に保存されている接続情報は、以下の操作で初期化できます。
THETA本体のRICOH360登録を削除する場合は、アプリから削除してください。
THETA本体に保存されている画像や動画は、USB接続したPCからも削除できます。

【THETA A1】
登録情報 出荷状態への初期化 設定リセット 接続情報初期化 ストレージフォーマット
WLAN + Mode + シャッターボタン6秒長押し/API API WLAN + Modeボタン6秒長押し/API WLAN + Fn + シャッターボタン6秒長押し/API
ネットワークの種類 Initialize ( OFF ) Initialize ( OFF ) N/A N/A
無線LANのアンテナ設定 Initialize ( MIMO ) N/A N/A N/A
SSID Initialize Initialize Initialize N/A
暗号化キー(パスフレーズ) Initialize Initialize Initialize N/A
周波数設定 ( APモード ) Initialize ( 2.4GHz ) Initialize ( 2.4GHz ) Initialize ( 2.4GHz ) N/A
周波数設定 ( CLモード ) Initialize ( モデルによる ) Initialize ( モデルによる ) Initialize ( モデルによる ) N/A
ダイジェスト認証ユーザー名 Initialize Initialize Initialize N/A
ダイジェスト認証パスワード Initialize Initialize Initialize N/A
アクセスポイント情報 Initialize ( delete ) Initialize ( delete ) Initialize ( delete ) N/A
プロキシ情報 Initialize ( delete ) Initialize ( delete ) Initialize ( delete ) N/A
有線LAN接続設定 Initialize Initialize Initialize N/A
モバイルネットワーク設定 Initialize Initialize Initialize N/A
BLEの有効化 Initialize ( true ) Initialize ( true ) N/A N/A
Bluetooth®の状態 Initialize ( OFF ) Initialize ( OFF ) N/A N/A
Bluetooth®周辺機器との接続情報 Initialize ( delete ) Initialize ( delete ) Initialize ( delete ) N/A
Bluetooth®端末との接続情報 Initialize N/A Initialize N/A
MTP/MSCの選択 Initialize ( MTP ) Initialize ( MTP ) N/A N/A
ボタンロックの種類 Initialize ( OFF ) Initialize ( OFF ) N/A N/A
ボタンロックのカスタム設定 Initialize Initialize N/A N/A
APIで設定された位置情報 delete N/A N/A N/A
位置情報の付与 Initialize ( ON ) Initialize ( ON ) N/A N/A
方位情報の真北・磁北選択 Initialize ( auto ) Initialize ( auto ) N/A N/A
日時・タイムゾーン情報 Initialize Initialize N/A N/A
節電モード設定 Initialize ( ON ) Initialize ( ON ) N/A N/A
スリープモード移行時間 Initialize Initialize N/A N/A
電源OFF移行時間 Initialize Initialize N/A N/A
USB接続時電源OFF移行時間 Initialize Initialize N/A N/A
自動ファームウェア更新設定 Initialize ( true ) Initialize ( true ) N/A N/A
静止画/動画ファイル Initialize ( delete ) N/A N/A Initialize ( delete )
デバイスログ Initialize ( delete ) N/A N/A N/A
RICOH360登録情報 Initialize ( delete ) N/A N/A N/A

設定値
処理の種類 操作方法 設定方法 ( API )
出荷状態への初期化 WLANボタンとModeボタンを押しながら
シャッターボタンを6秒押す
WebAPI camera._initializeDevice
WLAN AP/CLモードで設定/取得可能
MTPAPI N/A
BLEAPI N/A
設定リセット N/A WebAPI camera.reset
WLAN AP/CLモードで設定/取得可能
MTPAPI 0x1017 ResetDevicePropValue[*1]
BLEAPI N/A
接続情報初期化 WLANボタンを押しながら
Modeボタンを6秒押す
WebAPI camera._deleteAccessPoint[*2]
WLAN AP/CLモードで設定/取得可能
MTPAPI N/A
BLEAPI Delete Bluetooth® Peripheral Device[*3]
フォーマット WLANボタンとFnボタンを押しながら
シャッターボタンを6秒押す
WebAPI camera.delete
WLAN AP/CLモードで設定/取得可能
MTPAPI 0x100B DeleteObject
BLEAPI N/A

[*1] MTP で定義された DeviceProperties をリセットします。
[*2] API経由で設定されたアクセスポイント情報を削除します。
[*3] 外部周辺機器とのペアリング情報のみが削除されます。

補足情報